猫の肋骨から発生した骨軟骨腫

10歳の雑種猫が健康診断で左側胸腔内1/3を占める腫瘤を発見、ほとんど症状はなかったが、飼い主の方とのご相談の結果、これ以上進行すればいずれにしても呼吸器系の症状や食道や胃などの消化器症状も出現する可能性があること、また万一悪性の腫瘍であれば周辺の骨組織にかなり進行性に増殖していく可能性もあることから、腫瘤の切除手術を希望された。手術は腫瘤内に含まれる肋骨3本を含んだ切除手術になり、横隔膜にも癒着があったため横隔膜もかなりの長さ切除になった。そのため胸腔壁がかなりの欠損になるため、メッシュを用いてその部分を補うことにした。写真はX線の画像とCT画像および術中の様子を示す。病理組織検査の結果は骨軟骨腫という基本的には良性腫瘍だが、悪性化することもある。またこれが多発する場合には骨軟骨腫症と呼ばれる進行性疾患になるので、再発に注意し、新病変形成に関する経過観察が必要です。

 

 

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